こちらの記事ではAWSのCost Usage Report(以下、CUR)で変更が加えられた場合のRippleでの対応方法をまとめています。CURは頻繁に仕様変更が行われるのですが、直接Rippleでの操作に影響のないような仕様変更もあるため影響のある仕様変更のみ記述していることをあらかじめご了承くださいませ。
Cost and Usage Report とは
まず、CURについて簡単に記載いたします。AWS が「最も包括的なコストと使用状況のデータ」と表しているように、CUR は AWS のコストに関する詳細かつ膨大なデータがまとめられているレポートデータです。CUR は AWS コンソールから出力の設定をすることにより利用できます。AWS の CUR に関するページから実際の設定画面に遷移するリンクが表示されています。
CUR は多くの情報を集約しているため、ファイルの容量が重く、CSV ファイルのままダウンロードして活用することは効率的ではありません。標準的な使用方法としては Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)バケットにレポートファイルを配信し、そのデータを加工していく方法です。
CUR の特徴として以下が挙げられます。
管理アカウントで設定をすると組織配下のすべてのアカウントの利用情報が取得できる
メンバーアカウント単位でも設定が可能
時間別・日別から選択
金額はドルで記載される
S3 への CSV の出力は月単位で分かれて出力される
CURの仕様変更:
「Refund」から「Discount」へコストカテゴリが変更
仕様変更前のRipple仕様
AWSとSolution Provider Programの契約をしていると割引が適用され、割引分は「Refund」としてRipple再計算請求データに反映がされていました。
仕様変更後のRipple仕様
再計算請求データへの反映
RefundからDiscountへ費用カテゴリが変更
Solution Provider Programの割引分の他にもAWSとの契約によって発生する割引「Bundle Discount」「Enterprise Discount」「Private Rate Discount」などの割引項目が細かく分類され適用されるAWSアカウント単位で費用項目が再計算請求データに計上されるようになりました。
Ripple利用料への影響
今まではDiscountとして直接利用料に割引分が適用されていた場合には割引分が再計算請求データに集約されるようになります。
例)AWSとの特別契約として定価が$100、割引分が$20のサービスがあった場合
仕様変更前:割引適用後の$80が直接Rippleの明細に表示される。
仕様変更後:割引適用前の$100が直接Rippleの明細に表示され、$20が再計算請求データに「Discount」カテゴリとして詳細の説明文と一緒に反映がされるようになります。