機能概要：
サービスや購入対象となるAWSアカウント、Reserved Instances（以下、RI）とSavings Plans（以下、SP）の共有範囲などを考慮した状態でレコメンデーションを表示することができるようになりました。
一部の限られたAWSアカウント（Organization Unit）などでRI, SPの共有設定をして管理をしている場合のレコメンデーションの表示や購入するサービスを指定してサービスでターゲットを絞った購入のシュミレーションが可能になります。
算出ロジック：
Aquaで表示しているレコメンデーションは直近一ヶ月のAWS利用量を対象にしています。また、AWSコストエクスプローラーの場合はオンデマンド利用料よりも安くなることを基準値としていますが、Aquaではインスタンスの稼働時間の最低値をもとに算出をしているため、比較的リスクの低いレコメンデーション結果を表示するようになっています。
＊AWSコストエクスプローラーの場合は損益分岐点がRI、SPの適用期間よりも低い場合レコメンデーションをおこなうため、場合によってはリスクがあるインスタンスでもレコメンデーションがされます。
Aquaでの表示結果はRippleに登録されているAWSアカウントをもとにおこなわれます。なので、Ripple未登録分のアカウントでインスタンスが稼働している場合にそれらのインスタンスのレコメンデーションはされないので、予めご留意くださいませ。
他にもAquaではレコメンデーションの条件指定時にレコメンデーションのパーセンテージ（対象とする利用量のしきい値を設定）を指定することが可能です。これにより〇〇％と〇〇％の利用量を対象とした場合の比較や、リスクヘッジのためのレコメンデーション結果を表示することもできます。
RIとSPを組み合わせてレコメンデーション結果の算出もできるので、より複数のパターンでの購入を簡単に比較、検討することが可能です。
| AWS Cost Explorer | Aqua |
基準 | オンデマンドよりも安い料金になる（損益分岐点が契約期間より少ない） | 対象とする利用量の最低値をもとに算出 |
条件指定方法 | RIとSPとそれぞれで購入検討をする必要がある | 同時にレコメンデーションをすることで両方のオプションでの同時検討が可能 |
対象アカウントの指定 | ペイヤーアカウントまたは連結アカウントでの指定 | ペイヤーアカウント、複数アカウント、特定アカウントの指定が可能 |
上記は簡単な概要になりますが、より詳細について知りたい場合にはお手数ですが、右下のチャットよりお問い合わせいただけますと幸いです。
操作方法：
RI, SPを購入したいAWSアカウントを選択。ペイヤーアカウントでの購入の場合はペイヤーアカウントを選択し、Linkedアカウントでの購入検討の場合はLinkedアカウントを選択ください。
次にRIを購入検討しているサービスを選択します。
そして、同様にEC2 SP、Compute SP、それぞれで購入検討しているサービスを選択します。もし該当サービスがない場合には選択せずに空欄のままでも問題ありません。（その場合はレコメンデーション対象として省かれます）
レコメンデーション単位では「Combine Selected Accounts」アカウントの共有設定を有効化した状態をもとに表示する場合と「Individual Accounts」共有設定をオフにした単一アカウントに対して割引が適用されるように購入するオプションとで選択することが可能です。
最後に購入オプションを選択し「レコメンデーションを表示」をクリックします。
上記選択内容にもとづいてレコメンデーションの結果が下記テーブルに表示されます。表示された結果をもとにRI、SPの購入検討が可能です。
Aquaの「カバレッジ率」のページの情報なども参考に購入検討を進めましょう。
ダッシュボードで表示される数値
項目 | 説明 |
オンデマンドコスト/月 | Aquaで表示されるレコメンデーション結果のオンデマンド相当分
レコメンデーションを購入しなかった場合にかかる費用 |
月額削減後コスト | レコメンデーション結果を購入した場合の削減後コスト
レコメンデーション結果の購入オプションに合わせて按分したコスト
例）1年間の一括払いの場合は費用を12分割した際のコスト |
推定月額削減コスト | 表示されるレコメンデーション結果を購入した場合の見込み削減額 |
削減率 | 推定月額削減コスト/オンデマンドコスト |
合計前払金 | 購入オプションで前払いを設定している場合に表示される合計前払い金 |
合計月払い金 | 購入オプションで月払いを設定している場合に表示される合計月払い金 |
Reserved Instances 内容
項目 | 説明 |
サービス | AWSのサービス |
アカウント | 購入アカウント |
ゾーン | リージョン |
レコメンデーション | インスタンスタイプ（個数） ＊「Units」はレコメンデーションを算出する際に用いる単位です。
インスタンスの正規化係数を使ってインスタンスの適用数を算出/変換する際に使用します。
例）t3.nanoのインスタンスが常時稼働している場合にmicroの正規化係数を使い変換すると 1 / 0.25untis/hr = 4 units/hr となります。 |
プラットフォーム | OS |
テナンシー | 共有 or 専有 |
削除後のコスト | RIが適用された後のコスト |
削減率 | 現在の利用料に対しての削減率 |
Savings Plans 内容
項目 | 説明 |
アカウント | 購入アカウント |
ゾーン | リージョン |
SPプロダクトファミリー | SP の種類（Compute, EC2 Instance, AWS SageMaker） |
インスタンスファミリー | インスタンスのファミリー（例 t2、c5） |
時間毎レート | コミット金額（$/時間） 「Units」 はRI部分で記載したものと同じ要領で算出されます。ただし、SPの場合は正規化係数で変換したサイズに対して特定のコミットメントがあるので、コミットメントを算出する際にはそれを用います。
例）t3.nano = $〇〇/hr |
削除後のコスト | SP が適用された後のコスト |
削減率 | 現在の利用料に対しての削減率 |
グラフの見方
条件設定のフィルターとレコメンデーション一覧の間にあるグラフについて説明します。
レコメンド表示前
各サービス、各インスタンスタイプのオンデマンドでの利用時間が表示されます。
レコメンド表示後
レコメンドのリストに表示された内容を購入した場合のシミュレーションを過去のデータに合わせて表示します。
上記イメージ例: 過去の実績ではt2クラスのインスタンスがオンデマンドで稼働しているが、Aquaのレコメンドのt2のRIを購入するとほぼRIでの利用になる。